『TRPG』論

私は、TRPGが好きです。何故なら、普段電子ゲームでしか味わえないRPGという要素をリアルに楽しむことができ、またその場その場で生まれる突発的なノリで生まれる面白さも気に入っているからです。


さて、そんなTRPGですが、面白いものであると同時に電子ゲームにはない難しさがあります。何せ1つのテーブルで顔を突き合わせてするトークゲームです。突発的に起きるアクシデントなどもTRPGの魅力の1つではあります。しかし、その一方で「実際にその場で喋りながら進めていく」というのは、その場のノリでどんどんと暴走してしまう危険性も秘めています。


各著作で菊地たけし氏も言っていますが、「面白い」は全てに優先される。これは確かにそうです。だけど、その後の「それをみんなが共有できるなら」というのを忘れてはいけない。
TRPGというのは、キャラクターをロールプレイするという性質上、自分の主張が強くなりがちです(逆に、少なすぎるのも問題ではあるが)。自分の考えたキャラクターが話に組みこまれてゆき、またそれをライブで感じられるのはTRPGの魅力の1つです。しかしそれも過ぎると他人を圧迫する、という危険もあるのです。


こう言うと「自分を押さえつけてプレイをしろ」と言っているように聞こえるかもしれませんが、それは違います。重要なのは、周りをしっかりと見てプレイする、ということです。
自分の発言で他プレイヤーが不快な思いをしてはいないか。また、自分の言動がGMを困らせてはいないか。これらのことを気にしてプレイをしようと言うことです。これは、基本中の基本のルールであると同時に、TRPGにおいて最も難しい問題といえるでしょう。
何せ先ほども言いましたが、その場のノリを大切にするのもTRPGの面白さです。そしてノリで喋っているうちに興が乗ってしまい、暴走して他人を不快にさせていること、脱線していることに気付かないという事態が起こりうるのです。
参加した方は思うこともあるでしょうが、コン研でやったアリアンロッド・ファーストクエストはそのいい例といえるでしょう。マサキ氏が自サイトで苦言を発していたように、もう少し周りの空気を見ましょう、と。


自分が面白いと思っていても、他人もそう思っているか。これを思い計るのは非常に難しいです。ハッキリ言って、これを完璧にやろうというのは無理だと思います。
だけど、努力はできます。それを理解しようと、試みることはできます。そしてその心がけを持つのと持たないのとでは、雲泥の差です。
もう一度言いますが、自分を押さえつけてプレイしろ、ということでは絶対にありません。他人を気にし過ぎて自分の主張を失ってしまっては、元も子もないですから。


私はTRPGが好きですから、これからも続けていきたい。そして、他のプレイヤーから「また一緒にやろう」と言われるプレイヤーでありたいと思うし、またGMに「あいつをまたプレイヤーに入れたいな」と思われるプレイヤーになりたいと思っています。
今回随分と偉そうな口をききましたが、私自身自分で言ったことをしっかりと出来ているかといえば、疑問です。むしろ出来ていないことも多々あるでしょう。
しかし、みんなで「お前にはいわれたくないよ」と言い合っているようでは足を引っ張り合うだけで伸びていかないと思うし、それは非常に勿体無いことだと思います。お互い努力し、いい環境を作っていければいいな、と思うのですよ。何だかんだいって今のメンバーでやるTRPG、好きですからね(笑)。